2024/09/21
2歳~18歳の方については,日本でも今シーズンから,注射ではなく,1接種当たり左右の鼻の穴にそれぞれ1回ずつ噴霧する生ワクチン(商品名:フルミスト)も接種できるようになりました(2003年に初めてアメリカで承認され,2023年4月時点で,36の国と地域で承認されています).
・同ワクチンは,生きたインフルエンザウィルスを,病気(インフルエンザ)を発症しないレベルにまでに処理した(弱めた)ものを,鼻に噴霧することにより,感染を人工的に成立させて,接種された人に抵抗力(免疫)をつけさせるワクチンです.
・同ワクチンは,1シーズンに1回だけ接種すれば,従来の注射のインフルエンザワクチンと同等の効果が得られることが,判明しています(とくに,幼い子どもほど効果が高いと言われています).
・同ワクチンも,板橋区の費用助成の対象です(クリニック据置の助成用接種票を,必ず事前にお受け取りください).
・同ワクチンと他のワクチンの,接種間隔の制限はありません.また,同ワクチンと他のワクチンの同時接種も可能です(ただし,当院では,少なくとも今シーズンの同時接種は行いません).
・今シーズンは,同ワクチンの生産量が限られているため,どの医療機関でも少人数しか接種できません.当院では2歳~10歳に限っての先着順予約となりますので,ご了承ください.
・妊婦や免疫不全患者は,経鼻生ワクチンを接種できません(妊娠可能年齢の女性では,あらかじめ約1か月間の避妊を経てから接種し,接種後2か月間も妊娠しないように注意する必要があります).また,ゼラチンによってアナフィラキシーを起こしたことがある方も,経鼻生ワクチンを接種できません.
・ぜんそくと診断されたことのある方,授乳婦・免疫不全患者が周囲におられる方など,この経鼻生ワクチンの接種を,お勧めできないケースがあります(詳細については,日本小児科学会の「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方~医療機関の皆様へ~」を参照してください).
・経鼻生ワクチン接種の前後で,抗インフルエンザウイルス薬(商品名:タミフル,リレンザ,イナビル,ラピアクタ,ゾフルーザなど)を使用すると,経鼻生ワクチンの効果が十分に得られない可能性があります.